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史料で学ぶ日本近現代史 第1回
龍馬親子の書簡からその時代を読む
成田喜一郎
史料1の1「父坂本八平の息子龍馬宛の書簡」(嘉永六年)
一、片時も不忘忠孝、修行第一之事。
一、諸道具に心移り銀銭不費事。
一、色情にうつり、国家之大事を忘れ、
心得違有間じき事。
右三カ条胸中に染め、
修行をつみ目出度帰国専一に候。以上。
丑ノ三月吉日
老父
龍馬殿
史料1の3「坂本龍馬の八平宛の書簡」(嘉永六年)
一筆啓上仕候。
(中略)
九月二十三日
龍
尊父様御貴下
御状被下。難有次第に奉存候。
金子御送り被仰付、何よりの品に御座候。
異国船処々に来り候由に候へば、
軍も近き内と奉存候。
其節は、異国の首を打取り帰国可仕候。かしく
史料で学ぶ日本近現代史 第2回
龍馬が描いた明治国家の「青写真」
成田喜一郎
史料2の1 こぼれ話「短刀・ピストル・万国公法」
ある日、龍馬は、同じ土佐の古い同志にであった。そのとき龍馬は、その長刀を冷やかに眺めて、「無用の長物。
いざという時に、かえって役にたつまい」といって、普通より少し短い自分の刀を示した。
しばらくたったある日、その同志はふたたび龍馬に出会った。
すると、龍馬は、いきなりふところからピストルを出して、一発ぶっぱなした。
「これが西洋の新しい武器だ、よく見ておけ」といったという。
それから三度目、またふたりが一緒になった時、龍馬はこんなことをいった。
「これからの世の中は、武力だけでは役にたたぬ。
学問が大切だ。
おれはいま『万国公法』を読んでいるが、これが非常に面白い。」と。
一冊の本をとり出したとのことである。
(池田敬正『坂本龍馬』中公新書より要約)
史料2の2 「年譜(ねんぷ)・坂本龍馬とその時代」
史料2の3 「船中八策(せんちゅうはっさく)」
一、天下の政権を朝廷に奉還せしめ、政令よろしく朝廷より出づ べき事。
一、上下議政局を設け、議員を置き、万機を参賛せしめ、万 機よろしく公論に決すべき事。
一、有材の公卿・諸侯および天下の人材を顧問に備へ、官 爵を賜ひ、よろしく従来の無実の官を除くべき事。
一、外国の交際広く公議をとり、新たに至当の規約を立つべき 事。
一、古来の律令を折衷し、新たに無窮の大典を選定すべき事。
一、海軍よろしく拡張すべき事。
一、御親兵を置き帝都を守衛せしむべき事。
一、金銀物価よろしく外国と平均の法を設くべき事。
史料2の4 「辞世の歌」
心からのどけくもあるか野辺はなほ
雪げながらの春風ぞふく
龍馬